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19世紀末。パリでは品格ある『美』を追究したアカデミーの作品が芸術とされていた。
 
しかし、若く在りながら一流画商のテオドルス・ファン・ゴッホは、パリの芸術を内側から壊したいと、体制に抗っていた。若き自由な画家たちを集めて、世界を変えるべく動き出した。そこで自らが誰よりも認めた天才、そして実の兄でもあるフィンセント・ファン・ゴッホをパリへ呼び寄せる。同じ環境で育ちながらも真逆の性格である2人の兄弟。ぼんやりして大らかな性格の兄と、隙がなく感情を表に出さない弟。そんな兄弟の中には、いつしか確執が生まれ、矛盾した感情を見せ始める。天才である兄に嫉妬しながらも、作品を世に広めようと己の全てをかけ、衝撃的な結末へ、テオドルスは動き出した。
 
そして、20世紀初頭の現代。2つ仲良く並ぶ墓を、男たちは眺めている。墓に刻まれた兄弟の真実を語りながら・・・。